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レクイエム~光と闇の向こう側へ・・・

ずいぶん長いことご無沙汰しておりましたが、
皆さま、いかがお過ごしでしたでしょうか?

お正月のご挨拶の後、ず~っと更新せずにいて、
気がついたら、今年もあと1か月半もありません。

去年のちょうど今頃は、個展を目指して創作に
没頭していました。

それから約1年が経ち、いろんなことがありました。

まず大きかったのは、姉と行った2月の台湾旅行。

Mrs.Taylor ・・・その眼光鋭いチャイナドレスの婦人は、
以前からたびたび私の心のなかに出てきてはいたのですが、
たしかに過去生の自分だったのだと、思いだしたのです。

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仕立て屋の女主人として、仕事と家庭を
両立させ、幸せも成功も手に入れたにも
かかわらず、亡くなる間際まで彼女が
抱えていたのは、一点の後悔でした。

私は女だから、ただそれだけの理由で、
本当になりたかった人形師の仕事には
就けなかった。

人形が好きで、お気に入りの人形を
部屋に飾り、死んだらお棺に一緒に
入れてほしいと言っていたくらい
大好きだったのに。

本当は、自分の手で作りたかったと悔やみながら、
亡くなっていったんだということを知り、彼女の分も、
私は人形を作っていくんだなと思い至った旅でした。

そう自覚しても尚、なかなか人形が作れずにいた頃に、
忘れらない出逢いと別れが訪れました。

不思議なほど過去生での体験がシンクロした、私より
ひと回り以上も年下の女の子・・・

彼女とは、亡くなる少し前にご縁がつながり、ごく短い
期間に、信じられないくらい濃い時間を共有しました。

その頃私は、これから自分が本当に目指している世界を
人形で表現していくためには、自分の醜い面や汚い面、
思い出したくもないような闇の部分を全部さらけだし、
人形にしてみることが必要だと感じていました。

今までタブーとしていた、グロテスクな人形を作ることが、
過去の自分への弔いになるんだと、姉や友人からも云われ、
そこを通らないと、先には進めないのだとわかっていながら、
なかなか手を動かすことができないでいました。

それがなぜなのか、彼女と会った瞬間にはっきりしたのです。

「ああ、私は今までレクイエムの人形は、自分のために
作るものだと思ってきたけれど、そうじゃなかったんだ。
レクイエムは、彼女にとっても必要なものだったんだ」と。
 
彼女は過去と訣別しようと、必死で自分と戦っていました。

私も同じように、過去生の自分を清算するために、
今まで以上に深く自分と向き合う時を迎えていました。

たとえどんなに汚い面があっても、だめな部分が
あったとしても、今のあなたが大好きだよ。

いいところも悪いところも全部、ありのままを
丸ごと抱きしめよう。

自分にそう言ってあげられる自分になれた時、
初めて目の前にいる人に対しても、同じように
抱きしめてあげることができるんだ。

それを頭ではなくハートで教えてくれたのが、
彼女でした。

彼女が旅立ったという知らせを受けた後、私の頭に
パン!とつよい光を放って、ひとつのイメージが
浮かび上がってきました。

それは、大きな白い羽根をつけた天使の女の子・・・

それまでは、過去の闇を弔う人形を作ろうとしていたのですが、
もう一体創ろう!と、その時心に決めました。

彼女のために、次に生まれ変わる世界では、何の心配もなく、
ただ自分らしく、思う存分羽ばたいていけるように。。。

その願いをこめて、私はその日から二つの人形を
同時進行で作り始めました。

そうして完成したのが、この二体です。

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    『 レクイエム #1』


底知れないほど深い、深い、空虚な穴・・・

本当は生まれた時から、気づいていた。

人を喰らっても、物を喰らっても、
決して満たされることはないだろう。

この手で腸(はらわた)を引きずり出そうが、
欲望も憎悪も殺意も絶望も自虐も哀しみも、
この身から消えてなくなることはないだろう。

いまに声が嗄れようと、涙が涸れようと、
この慟哭の衝動が尽きることはないだろう。

私が、私を弔うその日まで・・・


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『 I Can Fly~光射す方へ・・・』


私は飛べる 今度こそ

私は飛べる どこまでも

光射すあの空へ、そしてもっと
その先の、光あふれるあの場所へ・・・

私には、決して折れない翼がある

だから、いつだってまた会えるよ

さあ、いまこそ笑顔で旅立とう・・・



Mちゃん、ありがとう。

あなたのおかげで、新たな道を歩きだすことができました。

私はあなたのことを、ずっとずっと忘れないよ。。。




by tete_de_lapin | 2016-11-21 04:32 | ドール・ギャラリー